(今週のインスタブログはGWモード。
生徒さんが「あの鎧駅の見ました. 懐かしかった. 」
と笑顔で伝えてくれました。
すごくうれしかった。)
前回の続き。
うどん屋を出て浜坂駅に戻る。
普通列車鳥取行きに乗り込み、空いたボックス席に座ると前の席に黒いカバンがあった。
しばらくすると若い男性がその席についた。
偶然にも、さっきうどん屋で入ろうか悩んでいた彼だ。
「おー、同じ列車だったか。ご飯食べた?」
と、心でつぶやく。
着古した服装と使い込んだカバン。
わずかな予算で列車旅をしていた、二十歳の自分がそこにいた。
あのときは「ここではないどこか」へ行ければどこでも良かった。
彼は使い込んだカメラ(おそらく中古カメラ)を握りしめバタバタとどこかへ行く。
「瑞風」でも撮影に行ったのだろうか。
「好きなことをするのがいいよ」とまた心でつぶやく。
鳥取駅で乗り換え。
ここからさらに西に向かう車内は乗客が少なく静かだ。
宝木(ほうぎ)駅で「スーパーはくと」に出会う。
倉吉駅では「名探偵コナン列車」とド派手な「石見神楽列車」が待っていた。
遥か以前、私が将来の不安を漠然と感じながら流れる車窓の景色を眺めていた頃、列車は地味だった。
今は普通列車でもそれなりにきれいだ。
でも、ぼんやりと外を見ている若者の想いは今も昔も変わらないだろうな。
みんな色んなところに行っていっぱい経験してくれよ、と思うのですよ。